2025年から始まる新たな補助金制度「GX志向型住宅」。これは脱炭素社会の実現を目指す住宅政策の一環で、省エネ化、再生可能エネルギーの活用、電力供給の自立性を高める住宅を対象にした注目の補助金制度です。
この制度は、これまでの「長期優良住宅」よりも要件が厳しいですが、その分補助金額も大幅に増額されています。挑戦する価値がある制度であり、新築住宅を計画中の方には大きなメリットとなります。
このブログでは、GX志向型住宅の概要と、積水ハウスで実現可能なのかどうか?を実体験をもとに語っていきます。
ではGX志向型住宅が登場したことによって去年までの補助金と何が変わったのか、ざっくりお伝えします。
まず一番気になるのはいくらもらえるか?という話ですよね。
これまでは下記の2つの枠組みとなっていました。
新築の場合最大100万円
新築の場合最大80万円
積水ハウスでは長期優良住宅が当たり前のようにクリアしていますので、今までは最大100万円の補助金がもらえていたということです。
ところがGX志向型住宅が追加されると下記の3つの枠組みとなります。
最大160万円
既存の住宅を取り壊して建てた場合 最大100万円
更地の場合 最大80万円
既存の住宅を取り壊して建てた場合 最大60万円
更地の場合 最大40万円
お気づきでしょうか?
新制度になると、更地から家を建てた場合は80万円、既存の住宅を解体した場合は100万円ということになり、更地から建てた場合は今までより20万円ももらえる補助金が減ってしまうことになります。
そして肝心のGX志向型住宅はなんと最大160万円の補助金額となります。
以前までの長期優良住宅から60万円アップということになりますので、金額としては非常に魅力的です。
そんなGX志向型住宅はどうすれば達成できるのでしょうか?
詳しい条件を見ましょう。
まず期間についてですが、新築の場合は2024年11月22日以降に基礎工事より後の工程の工事を始めた住宅が対象となります。
再生可能エネルギーを除いたというのは太陽光パネルを除いたエネルギー消費量です。
具体的には給湯器や、照明設備、換気設備、冷暖房設備などが対象となります。
太陽光パネルの発電量を含めたすべてのエネルギー消費量です。
断熱等級6というのはわかりやすいですよね。
ハウスメーカーが断熱等級6の仕様にするだけで解決する問題です。
しかし問題なのは1次エネルギー消費量のどうたらこうたらという方ではないでしょうか?
詳しく説明します。
まずは1次エネルギー消費量の削減率という言葉を理解することが重要です。
そもそも削減「率」ということなので何と比べての率なのか?ってことですよね。
ひとことで言えば、同じ地域で同じ面積で建てた場合の平成28年時点で決めた基準との比較です。
なのであなたの居住する地域で同じ面積での基準を設定するから、それよりエネルギー効率のいい住宅を設計してね。ということです。
実はギリギリになって新たに条件が追加されました。
ただ、結論から言うと積水ハウス施主には特に気にしなくていい内容となっています。
ECHONET Lite AIF仕様というものに対応していることが条件なのですが、積水ハウスの場合「AISEG2」という対応済みのHEMSコントローラーが付いていると思いますので、HEMSを付けた時点で達成している条件となります。
次は我が家がどうやってGX志向型住宅の条件を達成したか?を紹介します。
結論から言えば、積水ハウスでGX志向型住宅の達成は可能でした。
- 給湯器はおひさまエコキュート
- 照明はLED照明を採用
- エアコンは指定なし
- 太陽光パネルは5kw/h
ひとつずつ見ていきましょう
おひさまエコキュートとは太陽光パネルが発電している昼間に沸き上げるというものです。
エコキュートの中でも昼間に沸き上げるものもありますが、おひさまエコキュートでないとぎりぎり達成できないといわれたのでおひさまエコキュートを採用しました。
そう思われる思いましたが、あえてこう書いた理由があります。
それはGX志向型住宅は、建築確認申請前に仕様を確定して、申請する必要があるからです。
つまり申請される側からすると、設備が指定されてないということは何が入れられるか分からない=判断できないということですよね。
なので設備を指定しない場合、その設備のエネルギー効率は一番悪いものを想定して計算されることになります。
なので施主支給は一番不利な条件となるということです。
この条件をわざわざ書いた意味は、照明機器は積水ハウスさんを通したものを入れます。ということです。
これは積水ハウスで入れるのではなく、自分で家電量販店から入れたほうが安いだろうと思いそうしました。
なので冷暖房設備は不利な条件で計算されているということになります。
太陽光パネルに関しては再生可能エネルギーを含む1次エネルギー消費量の削減率100%以上という項目を満たすものを入れたというだけの単純作業です。
GX志向型住宅の補助金160万をとるためにいくらかかったのか?ここがもちろん重要ですよね。
160万のために500万アップです!なんてことになってたら本末転倒ですからね。
実際にかかった費用は断熱等級を5から6に変えたことによる差額のみでした。
断熱等級を上げることで家の快適性が上がって、補助金が80万円から160万円に増えるなら全然ありかなという感じでした。
家の性能を上げることで補助金の金額を上げることができる今回の制度は、やらない選択肢はないかと思います。
工務店のブログで断熱等級6でエコキュートにすれば達成可能という記事も見かけたので、いま打ち合わせ中や、購入検討中の方はぜひ今回のGX志向型住宅を視野に入れてみてください。